サツドラ初!第16回日本薬局学会学術総会への挑戦~ヴィーガンの方に対する薬物療法~

※左:長井さん(過去の紹介記事はこちら)、右:谷さん

サツドラ薬局では初となる、日本薬局学会学術総会に参加してまいりました。

新型コロナウイルスの影響により前々回の学術総会は中止、前回も感染拡大防止の観点から完全リモートでの開催となっておりましたが、今回は3年ぶりの現地開催となり、その様子をリポートいたします。

今回は参加者として、店舗薬剤師の長井さんと本部薬剤師の谷さんに参加していただきました。

インタビュアー「本日はよろしくお願いいたします。」

谷さん長井さん「よろしくお願いいたします。」

インタビュアー「まず初めに今回はどのような内容を発表されたのでしょうか?」

長井さん「今回はヴィーガンの患者様でも使用できる糖尿病治療薬について医師に情報提供を行った事例を発表しました。」

インタビュアー「「変革への挑戦~未来の医療を支えるために~」をテーマとした今回の総会では、保険薬局や薬剤師の地域医療の中での役割や取り組みを広く共有し、未来の薬局の姿を認識する場として開催されましたが、お二人はどのような経緯でこの総会に参加されることになったのでしょうか?」

長井さん「はじめは「ヴィーガンでも使える薬を教えて欲しい」という患者様からのご相談からでした。その患者様は医師にも相談したようですが、薬局で聞くように言われ、私のところに来てくださいました。」

インタビュアー「そうなんですね。そもそも日本ではまだあまりヴィーガンについて認知されていなかったりすると思うのですが、長井さんはヴィーガンについて認知されていましたか?」

長井さん「実は今回初めて知りました。なので、最初はヴィーガンってなんだろう?というところから始まりました。その後、今回の事例を私→谷さん→本部という流れで共有したところ、学会発表することを推していただいて今回に至った、という流れですね。」

インタビュアー「谷さんは報告を受けて、なぜ学会発表しようと思ったのでしょうか?」

谷さん「実は最初は発表を考えてなかったんです。ですが、本部の打ち合わせの際に今回の事案を共有したら別の本部の方が学会発表に出ることを推してくれたことと、学会発表に参加することが地域支援体制加算の要件で望ましいとなっているため、それを満たすという目的も兼ねて症例報告という形でやればやりやすいと思ったからです。それに長井さんならやってくれると思ったからというのも大きな要因です。」

インタビュアー「会社側からの後押しと長井さんへの信頼もあったということですね。今回の学術総会は福岡で開催されましたが、当日の流れはどのようになっていたのでしょうか?」

谷さん「今回は3泊4日の出張でした。前日入りしており、初日は管理栄養士の方がいる薬局と大きな大学病院の近くにある薬局に見学に行きました。2〜3日目は学会発表に参加し、最終日は別の薬局に見学に行きました。その薬局では最新鋭の調剤ロボットも導入されており、とても見識が広がりましたね。」

インタビュアー「なかなかハードなスケジュールでしたね(笑)どのような形式で発表を行ったのでしょうか?」

長井さん「1日目はポスターのみ展示し、それを見て回るのが中心です。この時発表者はいませんでした。2日目は発表者がA~Cチームに分かれて順番にポスターの横に立ち、質問に答えていく形式でした。」

インタビュアー「質疑応答の時間はどのくらいだったのでしょうか?」

長井さん「1時間です。それを3チーム行いますので、全体では3時間程度ですね。」

インタビュアー「質問はどれくらいいただきましたか?」

長井さん「今回の題材は新しいものとして捉えてくれる方が多く、「よくこういう方が来るのですか?」「どうやって調べたんですか?」「そもそもヴィーガンってなんですか?」などたくさんの質問をいただきました。他にも「うちの薬局でもこういう事例がありました」と情報共有してくれる方もいらっしゃいました。」

インタビュアー「ヴィーガンに関する学会発表はどのくらいあるのでしょうか?」

長井さん「私が今まで見た学会発表では見たことがありません。」

谷さん「私も論文や学会発表などをたくさん見てきていますが、ほぼないと言っていいでしょう。」

インタビュアー「珍しい題材なんですね。どのような質問が一番印象に残っていますか?」

長井さん「やはり「ヴィーガンの方でも服用できるかどうかをどのように調べたのか」という質問が印象に残っていますね。調べる方法は谷さんから教えていただきましたが、それはPMDAのサイトを用い、特定の成分を除外して検索する方法でした。PMDAは多くの薬剤師が知っていると思いますが、活用方法はあまり知らないと思います。」

インタビュアー「私も今初めて知りました(笑)谷さんはなぜその方法をご存知だったのでしょうか?」

谷さん「私は日々の自己研鑽としてTwitterで著名な薬剤師の方をフォローしており、その方が以前この話をされていたので知っていました。これを思い出した時にうまくいきそうだと思い、長井さんにもそれを共有したところスムーズに進んでいきました。」

インタビュアー「日々の努力の賜物ですね。長井さんが学会発表の準備で一番苦労したことはなんでしょうか?」

長井さん「質疑応答に対する返答を考えることが一番大変でした。谷さんを含め本部の方と細かいところまで対策していったのですが、不安はありましたね。」

インタビュアー「不安はありますよね。対策していなかった質問もいただきましたか?」

長井さん「いいえ、不安と裏腹に対策準備をしたものでほぼ網羅できていましたね。さすが谷さんだと思いました!」

インタビュアー「さすがですね!では、今回の発表で楽しかったことや学んだことはどういったことでしょうか?」

長井さん「1時間という長い質問応答の中で絶え間なく質問を頂き、皆さんが興味を持ってくれたことは達成感がありました。またメディアの方からインタビューもしていただき、成果を形に残せて良かったです。」

インタビュアー「谷さんからの視点で苦労したことはどういったことでしょうか?」

谷さん「症例報告というものは、一から研究して行う発表と比較したら、取り組みやすい方ではないかと個人的には考えています。ただ、会社としては初めてのことだったので、手探りでやるしかなかったというのが苦労しましたね。」

インタビュアー「では逆に学んだことはどういったことでしょうか?」

谷さん「ヴィーガンというと特別に捉える方も多いと思いますが、長井さんがメディアのインタビューでも言っていたように「ヴィーガンの方の対応はアレルギーや副作用歴がある方と同じような感覚で対応すればよい」ということを知ったのが一番の収穫だと思っています。これを理解したうえで、いかに患者様が納得した無理のない薬物療法を行えるかという視点はどのような患者様であっても同じであると思いました。」

インタビュアー「お二人は今後の展望やキャリアについてどのようにお考えでしょうか?」

長井さん「今回学んだ検索方法やツールを積極的に活用したいと思ってます。患者様のお問い合わせにも活用できるので、より正確にお答えしていきたいですね。また、今後学会発表される方に対して今回の経験を共有してアドバイスをするような立場にもなってみたいと思いました。」

谷さん「私は発表をサポートする立場にいますので、題材を見つけた人が「発表の方法がわからないからやめよう」となってしまうことをなくしたいと思ってます。自分も発表できるという認識を広く持ってもらいたいですね。そうして、サツドラから発表する人を増やしていきたいです。」

インタビュアー「とても素敵なお考えを仰っていただき、ありがとうございます!最後にこの記事を見た方にひとことお願いします!」

長井さん「サツドラはやりたいことを応援してくれる会社です。働き始めたらこんなこともしてみたいなと考えている方、ぜひ一緒に働きましょう!」

谷さん「働き始めると、日々疑問が出てくると思います。それを突き詰めて発表したいという方は、もうその準備はできているので遠慮なく頼ってください!」

インタビュアー「本日はありがとうございました!」


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